美術工芸資料館

本館は、京都工芸繊維大学学内共同利用の教育研究施設として1980年に設立されました。 翌81年6月に建物が竣工し、同年10月3日に開館し、展示を行う一方、逐次収蔵品を受け入れ、 本格的な整理・調査が開始されました。本館の所蔵する美術工芸資料は、本学の前身の一つである京都高等工芸学校の創立以来の収集品が基盤となっています。
京都高等工芸学校は1902(明治35)年に創立され、初代校長は中沢岩太、創設時の教授陣には浅井忠、武田五一が加わっていました。 ヨーロッパにおける新しいデザインの動向を展望し、はじめて本格的なデザイン教育が本校において開始されることになったのです。
浅井、武田は渡欧中から、デザイン教育の教材収集にも着手していました。 美術工芸資料館設立時の収蔵品は約16,000点、分野は絵画、彫刻、金工、漆工、陶磁器、繊維品、考古品等多岐にわたっています。 開館後はポスターコレクションの充実に力を入れていますが、 その出発点には、浅井がパリで収集した広告図(ポスター)や、武田が集めたドイツ語圏のポスターの存在があります。
また、1995年には建築家村野藤吾の建築図面(オリジナル・ドローイングを含む)の寄贈を受け、 その整理・調査・研究を進め、その成果を含め順次公開しています。 2019年3月現在の収蔵品数は約54,000点。これらの資料は常設展示と年間6~8回程度の企画展示を通じ一般に公開しています。